<1.5 内積と外積の成分表示>
ここで、ベクトルの内積と外積の成分表示について見てみましょう。
よく教科書で見る直角座標系でのx、y、z方向の単位ベクトルを元にベクトルを表現した形式です。
図に示すように直交座標系で
i:x方向の単位ベクトル
j:y方向の単位ベクトル
k:z方向の単位ベクトル
とすると、
ベクトルAの成分がAx、Ay、Azであるすると、ベクトルAは
と表すことができます。
ここで、内積と外積の定義から、単位ベクトルの内積は、
一方、単位ベクトルの外積は、
となります。
内積は同じ単位ベクトルをかけると1になり、違うものをかけると0になります。
一方、外積は同じ単位ベクトルをかけると0になり、違うものをかけると残りの単位ベクトルになります。ただし、向きには注意して下さい。右ネジの法則を忘れずに。
以上のことから、ベクトルA、Bのなす角度θが0の場合と(90°)の場合をまとめると次の表のようになります。
ここで、外積の向きの順番は次の図で覚えておくと覚えやすいかも知れません。
つまり、i、j、kを図のように置いて、外積をする二つのベクトルの順番が右回りなら「+」、左回りなら「−」と言うものです。
もっとも、右ネジの法則だけをしっかり覚えておけば必要はないかも知れません。
さて、そこでようやく内積の成分表示ですが、次のようになります。
つまり、A、Bベクトルの各方向成分どうしをかけ合わせれば良いわけですね。
ここで、このベクトルの内積を行列で書いてみましょう。
一般にベクトルはn行1列で書くので、
、
と書きます。そうすると二つのベクトルの内積は
となり、Aは転置行列になることに注意して下さい。
意味から考えてそうなることはわかると思います。
また、外積の成分表示は次のようになります。
単位ベクトルのかける順番を間違えないように注意して下さい。
交換法則は成り立ちません。
少々ややこしい式になりますが、行列式で表示すると