<1.15 余因子、転置行列、余因子行列>
ここでは、余因子、転置行列、余因子行列について考えてみましょう。
まず余因子ですが、余因子はn行n列の行列式を考える際に無くてはならないものです。
それでは余因子とはどんなものでしょうか。
「余因子とは行列のi行j列を除いた行列式に(-1)i+jを掛けたもの」
です。図で示すと次の図のようになります。
また、式で表すと、
に対して余因子は上のAの赤の部分が取り除いた行列式と-1のi+j乗のかけ算、
となります。
次に、転置行列について見てみましょう。
これは、余因子行列を作る際に必要です。
転置行列とは、
「転置行列は行と列を入れ換えた行列」
のことです。
図で示すと次の図のようになります。
具体例で見れば、
の転置行列は
となります。これはわかりやすいですね。
次は余因子行列です。
余因子行列とは、
「余因子を行列の要素とする行列の転置行列」
のことです。
式で表すと、
となります。
転置されていますので、とij→jiになっていることに注意して下さい。
具体的な行列の作り方はAの行列に対し、それぞれのについて余因子を計算して並べ、最後の転置すれば良いわけです。
このあたりは、ごちゃごちゃしてわかりにくいですが、
余因子:i行j列を除いた行列式に(-1)i+jを掛けたもの
転置行列:行と列を入れ換えた行列
余因子行列:余因子を行列の要素とする行列の転置行列
と言うことです。