<3.6 発散の計算例>
 
ここで発散の計算例として、水が原点で湧きだし、四方八方に広がって流れている場合を考えてみましょう。
空間上の速度ベクトル場が
 
C:比例定数
 
で表されているとします。
ここで、erは図に示す単位ベクトルです。
 
r:動径
er :動径方向の単位ベクトル 
 
ここで、図に示すように幾何学的関係と質量保存則から、
 
 
 
となりますから、
 
 
で示されるように、距離の二乗に反比例することは明かです。
 
ここで、vの発散(div)を求めてみましょう。
vは改めてxyzで表せば、
 
ですから、
 
 
となります。
ここで第1項のxの偏微分は、
 
 
となります。同様に、第2項、第3項のyzの偏微分は、
 
 
となります。従って、
 
 
となり、原点以外ではゼロになります。
すなわち湧き出しはないと言うことになります。
これは、質量保存則から考えてもあきらかです。
 
[目次]   [前のページ]   [次のページ]