<3.14 ストークスの定理>
ストークスの定理は
FEMではあまり使われることがありませんが、
CFDや電磁場解析ではよく使われると思います。
ベクトル解析の最後にこのストークスの定理についても見てみましょう。
まず、ストークスの定理に移る前に、微小面積での積分と回転(rot)について考えます。
ベクトル場Aにおいて、xy平面上の微小要素PQRSについて考えます。
に対して、回転(rot)の定義は
ですから、z方向の成分を考えて、
です。
ここで、偏微分の定義から、
より、
(rot A)zdxdyはPQRSに沿ってAを線積分したものとなります。
@

A
B

C
そこで、
を
と表記します。
dSは大きさが面積dxdyで右ねじの方向を向く微小面積ベクトルです。
また、

は面
dSの境界閉曲線です。
以上が準備段階です。
そこで、ストークスの定理ですが、これは回転(rot)に関する積分定理で、「閉曲面に沿ってベクトルを線積分してものが、回転(rot)を面積分したものに等しい」ということです。
ストークスの定理の導出は次のようになります。
先ほどの微小面積での積分の式から
dSはdsを足し合わせたものであるから意味は積分になります。
ここで、

は
dSの周囲の境界線部分の意味です。
dsの方向は面積ベクトルdSを右ねじに進める時の回転の向きです。
さてそこで、図のような隣り合うS1、S2を考えます。

、

において
PQの部分では
S1(P→Q)、S2(Q→P)の線積分は大きさが同じで向きが逆であるために和を取るとゼロになります。
よって、
面積積分に対しては当然、
となります。
従ってどのような図形についても次のストークスの定理は成立します。
ストークスの定理: