<3.10 回転(rot)の意味>
さてここで、回転(rot)の意味を水の流れる2次元のベクトル場Vで考えてみましょう。
図に示すように、
のベクトル場を考えます。
ここで、x方向の速度変化dVxを考えると、
です。ここで、偏微分の定義から
ですから、
となります。同様にdVyは、
です。ここで、dVx、dVyを変形すると、
と変形することができます。
ここで、点Pを中心とした円運動を考えます。
微少量dx、dyと速度変化dVx、dVy角速度の関係は次の図のようになります。
以上の式をから、先に変形して整理した速度変化dVx、dVy の係数Bについて見て見ると、
となり、Bは回転を表していることがわかります。
つまり、流れの中でBで計算されるrotは回転を示しているわけです。
もう少し別の見方をすると、
次の図のように、2次元のベクトル場A(x,y)、つまり、平面流れの場に微小な十字形状の浮きがあると考えます。
ここで、
であるとします。
A、B、C、DによるP点まわりの反時計回りのモーメントは
AP:
BP:
CP:
DP:
よって、モーメントMを計算すると、
となり、daは浮きの大きさですから回転には関係なく、
はz軸まわりの回転を表していることがわかります。