2.23 変数分離型微分方程式>
 
増加率が一定の場合、増加のdNNに比例する場合、または微小時間dt間にN(t)がdN増加する場合は、比例常数をkとして、
 
 
という形式の微分方程式になります。
この形式の微分方程式は変数分離型といい、左辺はNのみ、右辺はtのみで書き表し、二つの変数を左辺と右辺に分離することで次のような式の形にできます。
 
 
ここで、両辺を積分して式を解くと、
 
 
となり、初期条件 とすると、
 
 
という形式になります。
この微分方程式の具体的な例としては、人口増加率、借金の総額計算、放射性同位元素の残存量などがこの形式の微分方程式になります。
 
ここで、具体例として空気抵抗を受ける物体の落下運動を考えてみましょう。
図に示すように、空気抵抗は速度と逆向きの速度に比例した力ですから、
 
 
運動方程式は、
 
 
となりますから、これを解いて、
 
 
ここで、初期条件をとすると、
 
 
となります。
ここで、
 
 
ですから、のとき、となるので、
 
 
となり、最終速度はとなることがわかります。
 
[目次]   [前のページ]   [次のページ]