<2.21 曲面座標による体積積分>
曲線座標による面積分の次は同じく曲面座標による体積積分について考えてみましょう。
図に示すように、曲面座標(u、v、w)は元座標(x、y、z)と次のような関係であるとします。
平行六面体の微小体積dVはベクトルの計算から、
となります。
これは、三つのベクトルA、B、Cによる体積計算を思い出して下さい。
面積:
高さ:
体積:
ここで微小ベクトルdr1、dr2、dr3は、
です。
A、B、Cベクトルの行列計算は次のようになります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(行列式の復習)
行列の各種公式
(行列式の交代性)
行または列を1回入れ替えると行列式の値の符号が変わる。
(行列式の転置不変性)
(行列式の線形性)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
行の
2回入れ替え、転置
この、A、B、Cのベクトル演算を利用します。
ですから、
従って、
ここで、
:ヤコビアン
です。
よって、体積積分は、
と、ヤコビアンを使って表すことができます。
ここで、極座標(球面座標系)では、
ですから、x、y、zをr、θ、φでそれぞれ偏微分して、
従って、ヤコビアンは
よって微小体積dVは、
となり、前に出た球面座標系での微小体積dVと同じになります。
ちょっと計算が多くてややこしいように見えますが、計算は偏微分とベクトルの計算(行列計算)だけです。偏微分と行列計算が一緒に書かれるといかにも難しく見えるだけです。