<2.16 面積分>
線の次は面です。面積分を考えてみましょう。
平面上で単位面積あたりの質量がわかっているときの板の質量を求めることを考えましょう。
図に示すようにx方向に長さa、y方向に長さbの長方形板を考えます。
単位面積あたりの面密度はρ(x,y)であるとします。
ここで、微小面積ΔSは
ですから、全体質量Mは微小面積ΔSをx方向、y方向にそれぞれ順番に足し合わせることで求められます。
これを積分で表せば、
となります。
この式の意味しているところは、xの積分をしているときはyiを固定して計算をしておき、その後でyの積分をするということです。
つまりは、何のことはなく順序正しく順番に足していくということです。
次に半径aの円板について考えてみましょう。
図のような円板の場合には極座標を利用するのが便利です。
長方形版と同様に微小部分の面積ΔSは
ですから、長方形版の場合と同様に円板の面積密度分布を
とすると、全質量
Mは
となります。
長方形版と同じように半径方向と周方向を順番に足していけばいいわけです。
なお、
ではなく
となっている点に注意が必要です。
いずれにしても、面積分は区間を区切って順番に足していくということだけですから、記号が
と二変数なので積分記号が二つついているだけで何も難しいところはありませんね。