<2.1 一階微分と導関数>
微分積分と言えば高校の時に数学で勉強したことがあると思いますので、今さら説明の必要もないと思いますが、試験のために公式や、試験に出そうな問題の解き方だけを勉強したという人もいると思いますので、もう少し物理的な意味も合わせて考えてみましょう。
まずは、微分(differential)と導関数(derivative)について見てみましょう。
図に示すように物体が移動するときに、時間t1からt2の間にx1からx2まで移動した間の速度vは
で表されるのはご存じの通りです。
もう少し正確に言えばvは平均速度です。
同じことを横に時間軸、縦に距離を示す図で表すと次の図のようになります。
ここで、位置と時刻のグラフ上では速度vは点Aと点Bを結ぶ直線の傾きとなります。
この時、瞬時の速度はt1とt2の間隔を無限に小さくした場合となるのはご存じの通りで、極限limを使って、
と書き表されます。
ここで、t1をtに書き換え、時刻tと時間間隔Δtを使って書き表すと
となります。
ここで、vは導関数といい、xをtで微分した式となります。
導関数の書き方は
と、いくつかの書き表し方がありますがどれも同じ意味です。
一般に時刻の関数fを時刻で微分する場合は、

、

時刻以外の変数で微分する場合、つまりf(x)をxで微分する場合は、

、

と書きます。
従って、
は皆同じことです。
y=f(x)をxで微分する場合、極限の定義まで戻って書けば、
となり、
は同じことを示しています。
ここで、

は演算子、つまり計算のやり方を意味していると考えることができます。
つまり、

が

を

に変換する演算子として見ることもできます。
イメージ的には
ということです。